人間がセカイを感じてきた流れに沿って本が並ぶ。2本の足で立ち上がって「ここ」ではない別世界を認識してからというもの、人類は「知りたい」「伝えたい」という欲望をさまざまに記憶し、記録するようになった。私たちの祖（おや）たちは星を眺め、自然の力や意図を推しはかり、生と死に喜んだり悲しんだりしてきたのだが、それらの記憶を辿れるようにした。

　占星術と星占い、ガリレオの苦悩とはやぶさの希望、ヴェルヌの月世界と宇宙開発競争は、背中合わせ・隣り合わせでつながっている。キャラの立った神々の恋と嫉妬と闘争の物語や多彩多様な人間の善と悪の物語に託して、世界と世間の不思議と不条理を読み解いてきた。ところがもう１つ、知らずにはいられない、書かずにはいられない、しごく厄介な「自分」というものが残っていた。「私」もまた、別世界なのである。書区は「別世界へどうぞ」「コズミック・ロマン」「地球のできごと」「神話の神々」「人間の喜劇と悲劇」「刻まれた記憶・綴られた記録」など。